FEATURED STORY
金沢 一樹
合同会社GENOS 代表
アイスホッケーは小学校から大学まで。
金沢さんが現在代表を務められている合同会社GENOSでのシステム開発や業務自動化支援といった事業に注力されるようになったきっかけや、その活動を選ばれた理由について詳しく教えていただけますでしょうか。
もともと大学で経営システム工学を学んでいて、「現場の仕組みを良くする」ことへの興味は昔からありました。卒業後は物流会社でドライバーから配車、運行管理へとステップアップしたのですが、そこで痛感したのが現場の非効率です。人の手と経験に頼った作業が多く、「仕組みで解決できるのに」と思う場面がたくさんありました。転機は2016年に父を亡くしたことです。家業のエステサロン経営に関わるようになり、独立を決めて2018年に合同会社GENOSを設立しました。サロンのような小さな事業では、予約管理も顧客管理も集客も、全部経営者が一人で抱えているのが現実です。大手のような高価なシステムは導入できない。この「小さな事業者ほどITの恩恵から遠い」という課題をずっと感じていました。
「仕組み」という言葉が印象的でしたが、独立後にサロン経営を支えるシステムを構築する過程で、最も大きな壁や挑戦と感じた具体的なエピソードを教えていただけますでしょうか。
一番の壁は、ある朝突然やってきました。運営していたサロンのホームページが外部から改ざんされ、予約システムを含むファイルが消失したんです。何年もかけて積み上げてきた仕組みが一晩で消える。お客様の予約導線も止まり、営業への影響も避けられない。あの時の血の気が引く感覚は今でも忘れられません。復旧を業者に頼めば高額で時間もかかる。結局、自分でサーバーの隅々まで調べて不正なファイルを一つずつ取り除き、システムをゼロから作り直しました。この経験で確信したのは、小さな事業に必要なのは「作って終わり」の仕組みではなく、守りと復旧まで含めた仕組みだということです。ツールを寄せ集めるのではなく、集客から予約、顧客管理、決済までを一本につなげて、壊れても立て直せる形にしておく。壁に払った授業料をすべて仕組みに変えて、同じ壁の前に立つ経営者に届けたい。それが今の活動の原点になっています。
動いて、転んで、また動く。
アイスホッケー部で培ったチームでの連携や、スポーツ科学科で身体の仕組みを学んだ経験は、現在のシステム開発や経営において、どのような形で活かされていると感じますか。
正直、スポーツ科学科の勉強が今の仕事に直結しているかというと、そこまできれいにはつながっていないです。ただ、アイスホッケーで染みついたものは確実にあると思います。ホッケーは展開が速くて、考えてから動いていたら間に合わない。全体を見て、自分の役割を瞬時に決めて、仲間に任せるところは任せる。今、経営で人やツールに仕事を振るときの感覚は、たぶんあの頃つくられたものです。あとは、続ける力ですね。小学校から大学までホッケーを続けて、うまくいかない時期も辞めなかった。今もシステム開発でエラーが出続けて心が折れそうになることがありますが、「続けていればどこかで抜ける」というのは体で覚えています。派手な話ではないですが、この二つが一番活きている気がします。
在校生やこれから入学する後輩たちに向けて、金沢さんがこれまでの経験を通じて実感されている「学生時代のうちにぜひ試しておいてほしいこと」や「大切にしてほしい考え方」があれば、ぜひ教えていただけますか。
一つ挙げるなら「まずやってみる」ことです。私は社会に出てから、物流、美容、起業、店舗、選挙と、いろんなことに挑戦してきましたが、うまくいったことより失敗のほうが多いです。それでも動いた分だけ学びが残って、次につながっていきました。もう一つは、失敗を「終わり」にしないことです。うまくいかなかったとき、そこで止まるか、「じゃあ次はどうするか」に変えられるかで、その後が大きく変わります。私自身、へこむことは今でもたくさんありますが、「失敗しても次へ進む」とだけ決めています。かっこいい結果じゃなくていいので、動いて、転んで、また動く。それを学生のうちに一度経験しておくと、社会に出てからかなり強いと思います。
最後に、金沢さんの事業を通じて、同窓生向けに提供可能な割引や相談、協力などの特典は何かございますでしょうか。
「相談相手」として気軽に使ってもらえたら嬉しいです。起業してみたい、働き方を変えたい、就職か進学か迷っている、今の仕事このままでいいのかな——そんな進路やキャリアの迷い事があれば、私の経験の範囲でよければいくらでもお話しします。物流、美容、起業、店舗、AIといろいろ回り道してきた分、お伝えできることはあると思います。また、普段は東京に住んでいるので、都内の暮らしや仕事の情報をお伝えすることもできます。進学や就職で上京を考えている後輩や、東京で何かやってみたい同窓生の力になれたら嬉しいです。同じ学校の縁ですので、メールでもSNSのDMでも、気軽に連絡してもらえたら嬉しいです。